臨床心理士hanaのひとり妄想diary☆

総合病院勤務です。世の中の出来事を、いち臨床心理士の視点からいろいろ妄想しつつ、考えてみたいと思っています。

介護する「家族」にも支援の目を!-現行の医療制度改革について思うことー

みなさんこんにちは!臨床心理士の葉菜です。

昨日、以下の記事が出ていましたね。

 団塊の世代すべてが75歳を迎え超高齢化社会へ突入する2025年に向けての、医療制度改革の一環ですね。

今までは一つの病院で風邪などの軽いものから、ガンや心・脳疾患などの緊急・重症度の高い病気まで全部、最後まで診てくれる「病院完結型」の医療でした。

しかしそれでは大きな病院に患者さんが集中してしまい、新たに来た緊急・重症度の高い患者さんを受け入れることが出来ず、必要な医療を必要な患者さんへ提供できなくなってしまいます。

しがって現在政府は、緊急・重症度が高い患者さんは大きな病院で診て、状態が落ち着いたら「掛かりつけ医」に戻し様々なサービスを受けながら自宅で過ごしてもらうという「地域完結型」の医療への移行を進めています。地域の様々な医療機関が協力・連携して一人の患者さんを見守っていくイメージです。

そのための流れを作るために、紹介状なしの受診に際して負担額を増やすことで大きな病院の敷居を高くしたのが、今回の決定内容です。

人の心情としては、何かあった時の「保障」として最新の医療設備やたくさんの診療科を持つ大きな病院に掛っていた方が安心するという方が多いかもしれません。

また大きな手術を経験されたご本人やご家族としては、「一度命を預けた先生にずっと診てもらいたい!」と思う方も多いでしょう。

しかし今後、それらが難しくなっていきます。

患者さんが自宅で過ごす・・・ということは、患者さんのご家族が介護に関わる必要性が高まります。

この改革を進めるとますます介護離職も増加してくることが予想されています。とすると介護殺人や介護自殺の増加も・・・?!なんて考えてしまうのは私だけでしょうか。なぜなら重度な介護が必要な患者さんも例外ではないからです。この様な患者さんも、住み慣れた地域や自宅で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けられることを目指していくからです。

実際に殺人や自殺を実行することは大きな問題ですが、ここに至るまでのご家族の心境は非常に共感できるものではないでしょうか。

私も仕事でご家族からこのようなお話を聞かせて頂く事がありますが、みなさん本当にギリギリのところで理性を保って頑張っていらっしゃいます。

聞いている私の方が「私がこの立場だったら、何かしてしまうかもしれない・・・」と思うこともあり、ただただ頭の下がる思いでお話を聞かせて頂いております。

国の財政や人口問題などを考えると

この医療制度改革はせざるを得ない政策ではあります。

そのために、地域完結型の医療のシステム作りは非常に重要ですが

介護に関わる「家族」に対して介護と仕事の両立を目指した企業の理解や精神的フォロー等を行う相談機関の更なる充実などが、改革推進と同時に進んでほしいと切に切に願います。

誰かを支えるためには、誰かに支えてもらわないと、人の支えは出来ないと思います。