相模原殺傷事件から一週間が経ちました。
こんにちは。葉菜です。
今日は先週に引き続き、相模原市障害者支援施設「神奈川県立津久井やまゆり園」で起きた殺傷事件について書いていこうと思います。
大麻使用による精神症状
大麻使用は、一時的ではないようですね。かなりの期間使用しており、植松容疑者を今回の殺傷事件へと駆り立てた要因のようです。
前回のブログでは、大麻精神病の可能性は個人的には低い・・・旨を書きましたが、違っていました。すいません。
大麻使用による身体・精神面の変化について、調べてみました。
欲求不満耐性が低くなったり、感情の起伏が激しくなったり、うつ症状・自己陶酔が見られたり、窃盗や交通違反など違法行為が目立ったり…
とにかく
「以前と比べて、著しく行動が変容する」
が、見極めのポイントのようです。
ニュースを見る限り植松容疑者も、以前と比べるとかなり様子が変わったようなので当てはまるのかもしれません。
どうして野放しになってしまったのか?
1)緊急措置入院はしたのに…、なぜその後、行政の目が届かない状態になってしまったのか?
2)入院時の尿検査で大麻反応があり本人も認めたのに、逮捕にならなかったのか?
このような疑問を持たれる方はとても多いと思います。
これは、新聞各社やネットでも争点になっているところですね。
以下、前回と重複しますが一部個人的な経験を踏まえて、書いていきます。
1)緊急措置入院の理由は「自傷他害の恐れがあったから」でした。そしてその恐れが消えたら措置入院は解除になります。
その後、何らかの精神症状(幻覚や妄想、強い抑うつ気分や不安感、そう状態)などが残れば、医療保護入院(家族同意)、任意入院(本人同意)などに切り替わります。
逆に、何らかの精神症状がなければ退院となります。通院も、通う理由がなければないですし、たまに主治医から「その後を診たいから」という理由で退院後数回診察することもありますが、それも問題がなければ数回で終了になることが多いと思います。
基本的に精神科や心療科に通うのは投薬のために、がほとんどなので投薬が不要の場合繫がり続けることは難しいといえるかもしれません。
今回の事件の植松容疑者の場合は、「県外にいる両親と同居する」ことを条件に退院、外来フォローなし、になったようですね。
勝手な想像ですが、「何かまた困ったことが起きたら、近医の精神科を受診してください」と両親に伝えて退院になり、入院した病院とは一旦切れたのかな?と思っています。
それくらい緊急措置入院が解除になった時は、精神保健指定医から見ても落ち着いていたのかなとも感じています。
2)私もよくわからなかったので調べたところ
「大麻は使用では逮捕されない」
ようです。
逮捕適応は、保持と売買のみ。
尿検査で大麻反応が出ても、所持をしていなければ逮捕できないわけです。
一方、最近芸能人の逮捕者が多い「覚せい剤は使用でも逮捕される」ようです。
種類によって取り締まりの規制が違うのですね。
現状の制度の間をすり抜けてしまって起きた事件と言えるのかもしれません…。
障害を持った方の苦しさ。
「全国手をつなぐ育成会連合会」が声明文を出し、各社報じていました。
http://zen-iku.jp/wp-content/uploads/2016/07/160726stmt.pdf
私も原文を読ませていただきましたが、障害を持った方が感じているだろう恐怖や不安がしっかり書かれ、「全力で守っていく」メッセージを強く感じました。
一方で改めて事の大きさを痛感し、このような方々に関わる機会がある身として引き締まる思いがしました。
以下、私の経験を少し書きます。
今まで障害を持った患者さんとたくさん関わってきましたが、患者さんの中には家族との摩擦や不和、学校や社会でうまく適応できない…などの理由から、自分自身に対して否定的な思いを持っている方が少なくありませんでした。
「自分が居なくなったほうが、みんなは幸せなんだ」とか
「居ても意味がない」とか。
もちろん、幸せに暮らしている方もたくさんいらっしゃいます。
でも、そうではない、何らかの傷つきを持っている方も多いと感じています。
以前数年間担当した、知的障害を持つ患者さんが面接内でこんなことをお話してくれたことを思い出します。
「望んでこうなったわけじゃない。望んで生まれたわけじゃない。生まれたらこうだった。何をしてもうまくいかない。自分では一生懸命頑張っているのに。みんなに迷惑をかけているのが分かる。でも私は一人では生きていけない。生きていることがつらい。」と。
人の力を借りなければ
生きていけないことのつらさ
もちろん人は人の助けなしでは生きていけませんが、身の回りのことでさえも人の力が必要というのは、確かに本当に辛いことだと思います。
周囲から問題児扱いされていた方でしたが、この言葉を聞いたとき、この方の本当の苦しみが分かった気がして、この方と一緒に私も泣いてしまったことを思い出します。
何をどうすることが障害を持った方のためになるのか、どうしたら生きやすくなるのか
答えは出ませんが、日々接していく中で考え続けていきたいと思っています。
最後に
植松容疑者について司法はどう判断するのか、とても気になります。
医療観察法の可能性もあるのでしょうか。
個人的には医療観察法ではなく、しっかり刑に処してほしいと思います。
今日もありがとうございました。
暑い日が続いています。水分補給や休息をしっかり取りながら、暑い夏を乗り越えましょう!
葉菜