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臨床心理士hanaのひとり妄想diary☆

総合病院勤務です。世の中の出来事を、いち臨床心理士の視点からいろいろ妄想しつつ、考えてみたいと思っています。

清原容疑者のニュースを見て思ったこと。

こんにちは、葉菜です。

今日は一日、清原選手のニュースであふれていましたね。

野球に疎い私でさえも知っている、清原選手。

引退後はプライベートでも話題に事欠かなかったですが、まさかこんなことになるとは・・・。皆さんは今回の事件をどのように感じていらっしゃるでしょうか??

今日は急遽、覚せい剤などの薬物使用の患者さんについて、少し書いてみようと思います。

 

私は実際の臨床で薬物依存の方とお話をすることがあって、使ってみた感想を毎回聞いています。そうすると多くの方が「まるで魔法」のような「最高に良い気分」にしてくれるものと答えてくれます。

寝なくても元気いっぱい、食べなくても元気いっぱい、嫌なことがあってもぜーんぶ忘れて元気いっぱいで活動できる...なんだそうです。

そしてその「最高の魔法」の味を一度知ってしまうと、やめられなくなるのだとか。なぜなら「同じくらい効果がある合法的なモノがこの世には無い」から。

話を聞く限りでも、クスリをやっている時のハッピー感、充実感、集中力などなどはものすごいものがあり、なるほど…と思いながら伺っています。

 

ただもう一つ、ほとんどの方がおっしゃるのは、「多くの大切なものを失った」ということ。

健康な身体、能力はもちろん、友人、家族、仕事…。どれもかけがえのないものばかりで、なんで手を出してしまったんだろう…と。心が弱い自分が悪い…と泣きながらお話してくれます。

 

こういう方は本当に心が弱い人なのでしょうか?

なんとも言えないところですが、個人的には「なんかもっと薬物の前にできることがあっただろうに…」と思うことも多いです。つらい時、悩んでいる時、プライドを捨てて誰かに相談する、SOSを出せたら…とか。まぁでも、これが出来たら薬物に手を出さないわけで、これが出来ないから薬物に行ってしまうわけですが…。周囲が使っていて、抜け出せなかった…というのもありますよね。

話を聞く限りでは凄く悪い人は少なく、どちらからというと純粋というか、悩み過ぎているといいますか、不器用な方と言いますか…そんな印象を抱くことが多いです。薬物に手を出すまでのプロセスは人それぞれですが、聞いているこっちが辛くなるくらい壮絶なものもあります。「全てを忘れたかったから使っていました。」と聞くと、もちろんダメなことはダメですが「そうだよね…」と、心情は理解できるものもありました。

これらはあくまでも私の勝手な印象です。

清原容疑者の中で何があってどういう心気持ちで始めたのでしょうか...

そして今、どんな気持ちなのでしょうか...

 

清原容疑者はこれから医療にも掛かり、更生に向けて治療が始まると思われます。

薬物依存は身体的依存よりも精神的依存からの脱却が辛いと言われています。なぜなら更生の道とは、薬を使って誤魔化していた、見ないようにしていた「自分自身の心」に向き合い、それを克服していくことだからです。薬物という強烈なモノじゃないと誤魔化せなかった部分に向きあうわけですから、非常に大変な作業であり年月も掛かります。また使用期間が長いと脳などにもダメージが残り身体的依存との戦いも加わります。幻覚・幻聴、被害妄想など身体症状が出現している場合は、さらに厳しいです。

それだけはなく「過去に薬物を使用した」という「肩書」がついた新たな自分として生きていかなくてはいけないので、置かれている状況は使用前よりもより一層厳しくなります。ここに多くの方が再び薬物に手を染めてしまう理由があります。そんな自分に嫌気がさして自殺を考えたり実際にする方もいます。

 

ネットやニュースを見ていると、清原容疑者が私たちにとっていかに「特別な人」であると感じます。

今回の逮捕を良いきっかけとして弱い自分を認めて、一回り大きく成長した姿を、見せてほしいです。またそれが同じく薬物依存で苦しむ方々の大きな勇気になると思います。